都道府県別蛾類レッドリスト

神保宇嗣(日本蛾類学会レッドデータ検討委員)

レッドデータブック(RDB)は、現在減少していると思われる生物・絶滅してしまった生物のリスト(レッドリスト)をまとめ、各種について解説をしたものである。日本では1990年代に入り環境庁を中心に策定が行われてきた。1990年代後半にはいると、各都道府県でレッドデータブックを策定する動きが始まった。現在までに、全都道府県で策定が進められており、多くの県ではリストが公開されている。

レッドデータの扱う範囲は全生物ということになる。しかし、情報の蓄積量、知名度、研究者の数、分類の進捗状況、種類数などの条件により、自ずとよく知られた小さなグループに偏ることになる。昆虫では、チョウやトンボなどがあげられる。このようなグループでは、各種の生態についても厚みのある情報があるため、環境の変化の指標として有用である。しかし、種類数がすくないため、これらのグループだけで環境を全て反映しているとは言えない。蛾類は非常に種類が多く、より多くの環境の指標として使える可能性がある。しかし、研究者数に対して種類数が多すぎ、各種の情報が少ないことなどから、統一した見解を出すには及んでいない。また、レッドデータブックに掲載されている種でも、少ない情報や古い情報に基づき誤った見解をしていることも十分考えられる。

このリストは、各都道府県が発行したレッドデータブックに掲載された蛾類を抽出し、都道府県別・分類群別にまとめたものである。日本蛾類学会においても、レッドデータを検討使用という動きがある。このリストが、今後のレッドリストの見直しにおいて役立つことを期待する。


このリストについて


注意事項